里芋田村磨呂の心理学解説

心理学の本についてその本ができた背景や作者の事もふかぼりしつつ解説していきます。ぜひ紹介した本に興味をもっていただければなーと思っています。

モルヒネを打ち続ける夫婦から分かるパチンコ依存症(アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」第4章 結婚は心にどう影響するか)

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今回からレビューの感じを大分変えてみました。これによりこの本の内容がもっと分かりやすく伝わると思います。※前回の記事も面白いので見てね。


第4章 結婚は心にどう影響するのか

第1段 愛と結婚についての質問

概要

愛と結婚についての質問がよくされるアドラーは〔性的衝動」についてが〔個人のライフスタイル」からわかると語る。基本的に説明であり例はその後に提示される。

この段についての感想

この話は90年程前に書かれた話ではあるが、今にも通づるものがあると思う。特に少子高齢化の一因として相手との関係が取りざたされるがここからの話はそれを解決してくれるかもしれないとおもわせてくれる。しかし、専門用語が多く理解するのが難しい段でもある。

第2段 人を愛すること

概要

前回の段でいった「愛」とこの前の章で語った「3つの課題」から結婚についてまとめている段。愛と結婚についてのアドラーの考察の本題的な立ち位置に置ける段で、限定的に読むなら、この段は外せないだろう。

この段についての感想

全体的にまとめられていて、更にその困難に対しての解決策的な事が書かれてある段で読んでいて、分かりやすかった。

  • 心理の専門用語が少なめ
  • 分かりやすい例が多数見受けられる

所からも良さが伝わってくる。

第3段  愛と結婚の不変のルール

概要

愛することと結婚することの大きな障害についてアドラーが語っている段。アドラーいわく結婚するのは相手を支配したいからと考えている人は失望するとのこと。

男と女の差別社会からくる結婚の難しさを語っておりアドラーが早くからそのようなことを気にしていたことを確認出来る章。

この段についての感想

男の方が上だと考えられてた時代にアドラーは「そのようなことでは結婚は上手くいかない、なぜなら女も人間だからである」的なことを言っており、時代を先取りしていたことに驚いた。どのような性格だと結婚・愛が上手くいくかということを分かりやすく紹介しており、中々である。

第4段  甘やかされた子供の結婚生活

概要

この段はアドラーの治療した患者の一人の話でいわば例である。小さい頃に父が死に、母親に過保護に育てられてきた子供の結婚生活についての話であり、そのような子供はどうなるかを良く示している。アドラーの所に来たということは、生活が上手くいってないということであり、過保護に育てられ、理不尽に触れてこなかった人が結婚により、どうなるかのお手本のような段になっている。ここではこの人の今の現状と幼い頃の話、個人心理学としての見解と治療法が語られている。

この段についての感想

人間というのは幼いうちに最低限のことは色々経験しておかないと、大人になった時にそれが問題として露呈してしまうことからわかるように、過保護にしすぎていると子は、他人との関係が上手くいかなくなるので、少し過保護すぎる親御さんはもう少し社会の大変さを幼い頃から指導してあげてほしい。

第5段 結婚を支配の手段にする人 第6段 モルヒネを打ち続ける夫婦

概要

この段は少々難解であるため、二つ一緒に概要を説明します。

第5段は先ほどの例の続きで、この男性は後に夫に関心のなくなった妻と結婚して、新たに再婚を2回繰り返しました。

そして3番目の妻、つまり2回目の再婚相手は離婚歴がありました。この女性は最初の結婚の時に自殺を図っていました。それは夫に浮気がばれたからです。

そして彼女の2番目の夫は末っ子で左利きで、兄からいつもからかわれていたため、その劣等感をバネにして、のちにかなりの財産を得た人物でした。そして、その男性の2回の結婚は相手から言い寄られてのものでした。そして、言い寄って来た、2人めの女性は財産が大分なくなったときにやってきて、彼にモルヒネを進めました。そして彼は彼女が亡くなってからもモルヒネを吸い続けました。

その後に結婚したのが甘やかされて育った男性の3番目の妻、つまり彼女から見ると2番目の夫でした。そして彼女は彼のモルヒネを治すためにある驚きの行動に、、、

という概要です。途中に主人公交代が発生しているため非常に分かりにくいですが、話はおもしろいし、内容が掴めるとこの後の話がより分かりやすくなります。

この段についての感想

この話はなぜ心は病むのかの中で登場人物が多く1番分かりにくい話です。私も把握するのに結構な時間を要しました。しかし、題名のインパクトは強いですし、ぜひこの本をかってよんでみて欲しいですね。

第7段  自殺する人の感情

概要

前回の話の続きであり、モルヒネ中毒を治そうとして自分が中毒になった女性からわかる神経症の重要な公式と感情を解説している章。

この段についての感想

この段は非常に短いのですが実に興味深い話が大量に載っており,ぜひ購入して読んでほしい部分今までの知識が若干必要なので結構読み込んでから見てほしい。

第8段  アルコール依存、薬物依存、自殺願望、その根本には、、、

概要

アルコール依存、薬物依存、自殺願望などの原因例えなどえなどを使って非常に分かりやすく解説。前述したモルヒネの話のまとめである。そのため、前述の段を読まないと話を理解しにくい。

この段についての感想

最近ではコロナウイルスクラスターが起きるからパチンコの利用は避けてといわれているのにも関わらず、パチンコを打ちに行く人がいて社会問題になっていますよね。そのよう人たちの心理の正体が載っている段です。ぜひ今の国民に読んで欲しいところです。

 

まとめ

前半

愛と結婚についてのアドラーの考察と、子供の頃に問題があった子供は大人になって結婚すると、どのような問題が起こるか。

後半

モルヒネを打ち続ける夫婦から語る、依存症の恐ろしさ

次回 アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」第5章心は体に、どのような影響を及ぼすのか概要・感想

 

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劣等感のアドラ-心理学(アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」レビュー3.5章

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遂にこの「なぜ心は病むのか」レビューも四回もやって結構慣れてきました、、、、、、いややっぱ慣れないです。このレビューってなかなか自分の伝えたいことが言えないのですよね。もう少しまとめられるといいのですが、、もう少し努力してきますー

 

本編 なぜ心は病むのか 3,5章「神経症になる子供だった男のような女と女のような子供

第1段 「劣等感はどうあらわれるのか」について

※まずアドラーは3章の最後に述べた3タイプ(「身体機関に問題のある子ども」「甘やかされた子供」「疎まれた子供」)について知っている前提で話を進めます。もし、前回の話を見ていない人は前回の章の後半を見ることを進めます。

この段の最初もアドラーは次のような主張をしてから例に移ります。「前回紹介した3タイプの子供たちはそれぞれが強い劣等感を示すことがあります。そのどれもが社会とのつながりを弱め、個人との関心を狭めて孤立していくのです。」これは自分もわかります。身体機関に問題のある人は基本的に友達とかとあまり親密な関係になりませんよね。やっぱり気を使わせちゃってると思ってしまったりしてなかなか進みだせないのでしょう。

そして今回の例は慈善活動によく参加する高齢の女性です。彼女はある日アドラーをよびだし、「うちの夫はお腹をすかせた娘が5人もいるのですが、この人が借りた10シリング(1シリング=2000円(当時)だったので約20,000円)を今日中に返さないと家を追い出されるのです。しかし、私は今5シリングしか持っていないのです。と涙ながらに話すのです。なのでアドラーは「泣かないでください。あなたの寛大な贈り物に私から5シリングのささやかな贈り物をいたしましょう。」といいます。

これにはアドラーのイケメンさがにじみ出ていますね。現代でもこのおばちゃんのような人はいますが、こういう人って1度あげると、次も頼ってきそうですよね。もしかしたらこれは、フット・イン・tha・ドア・テクニック(ちちゃい要求から段々要求を上げていくことにより、普通では頼めないことを頼めるようにする作戦の1つ)かもしれないですよね。なので中々危険なことですので皆さんは気を付けてみてください。それとなんでこのおばちゃんは夫に対してこんな他人事なのかちょと不思議ですよね。まあ私もここは不思議だなあと思っていたのですけどどう解釈してもしっくりこないのでこういう風になりました。

そして5シリングを渡された女性は大げさに御礼をいってから「あなたがいい人なのはずっとわかっていました。」と告げました。 この時私は、彼女は本当に社会に関心があるわけではないということがわかりました。自分の親族だけとつきあい、その方法も支配的なものでした。彼女は情けない夫に対して哀れみや悲しみを感じることで優越感のようなものを得て、生きがいにしています。とアドラーは語りました。

第2段 罪悪感を利用する少年

主張「神経症の患者が架空の優越を作るときには罪悪感が使われます」

例「兄を抜こうとする第2子」

まとめ「個人心理学の手法は、患者が大事にしてきたことについて認知と修正を求める」

例の話「今回の主役の弟君は第2子にありがちな兄を追い抜こうとする行動をしたが、兄は優秀で抜けなかった。そのため、弟君は自分を優秀に見せる為に、兄とやた宿題を自分一人でやったと嘘をついた。しかし、3年後弟君はこのうその事を先生に告白した。しかし、先生はそこまで怒らなかったため、父にも話した。すると、父はこの子はなんて正直な良い子なのだろうとほめた。しかしこの子の嘘は治らず、、、」

アドラーの見解「弟君はきっと嘘を犯して褒めてもらうことでしか兄に勝てないとおもったのでしょう。」

感想  「兄に勝る弟などいない!」しかし、そうなると弟は親から感心されなくなりこのようになってしまうのですね。偏った親子愛はいけませんね。この話については私は兄上なので、弟がこのような状態に陥っていないか不安ですね。実は私の弟は結構注目を引くために奇怪な行動をすることが目立つのですよね。まあまだ幼いので大丈夫でしょうけど、、でも全国の兄上の皆さんはちゃんと弟君の事も見てあげてくださいね。

やっぱり、子供の頃、特に1~3歳の喋れない時期、4~5歳ごろの上手く感情が表現出来ない時期は心が安定しないですからね。そこのところをちゃんとしっかり考えていっていきたいですな。

第3段 女性性から逃げる女性

この話は現代の少子高齢化という問題を抱えた日本にも当てはまるのではないでしょうか。

 

アドラーの主張「適応になにかしらの誤りがあって、正常なライフラインが作れず、子供が家庭の外で初めて社会的な問題に直面する前に誤りが明らかになる。子供時代のこうした誤りの1つが、性的役割を受け入れる所の拒否です。」

今回の例「スポーツに集中する女性」

まとめ「この課題に対するためらいを正当化してそれを確保するため女が男の愛情をずっと得続けることはできないと自分を納得させています。多くのケースと同じ様に、この症例の根底にある困難は、女性の役割が明らかに一段下に置かれ、そのせいであまり価値がないと考えられていることにあります。これこそ、愛と結婚で不幸になる大きな原因の1つで、男性的抗議の土台となる幻想なのです。」

感想  この話では幼い頃に成長に問題が生じたことにより、それが20年先の「恋」という人生の課題に当たり、、

というお話です。私はこの話を聞いて、こんなことをいってもあれなのでしょうが、可哀想だなと思ってしまいました。この方は子供の頃育った環境が影響してこうなってしまったんですね。やはり小さい頃は自分でいい環境を作れないので非常に難しいですね。こういうところから見ても子供の環境、特に1~6歳くらいまでは特に面倒を見てあげてほしいですね。

もしどうすればいいか分からなかったら、親戚、親、役所などに相談しよう!!

 

次回 アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」第4章

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子供が神経症になるタイプ3選(アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」レビュー3章)

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それでは第3章第4章の解説を始めていきましょう。※前回もおもしろいので読んでね

 

第3章「母親は子供の心にどう影響するのか」

この第3章は11章の中で一番長く、アドラーの主張が一番隠されている章でもあります。そしてこの章は前半と後半で全く話が違っており、後半は3章ではなく3.5章といった方が良いでしょう。

前半 母親と子供の心の関連性と  神経症になる子供のタイプ

まずアドラーは自分が創立した個人心理学の根幹ともいえることから始めます。それが「わたしは意識と無意識を別の者とは捉えていません」というものです。そしてアドラーはここから議論を展開していきます。「この意識と無意識は互いに補い合って共に働く、同一のものの実態の1つとなります。そして意識と無意識は生理学的、生物学的なものではないため、あらゆる実験でも分かりません。例えば意識が交感神経を刺激するという事実からは不安の原因は分からないのです。不安の原因は精神の領域にあり、身体の領域にはないのです。なので子供の育った状況や性の抑制は不安の原因とは考えないのです。確かにそれは重要かもしれません。ただ私は子供が最も重要だと思っているのが優越という目標だと思っています。例えば母親をコントロールしようとする目標を達成するために不安を利用するといった事実です。」等々少々難しい展開がどんどん広がっていきます。

これについて私がちょっとおもしろいなとおもったのが「意識と無意識を、別々の実態として捉えていません」と「不安の大本は精神の領域にあって、肉体の領域にはありません」というところが、完全にフロイト達ウィーン精神分析協会を踏まえていってるんですよね。これがすごくアドラーを人間らしくしているので、非常に面白いですよね。

話を戻しましょう。この母親をコントロールしようとした子供の話は例があらず、ある特定の人物を指しておらず、ある程度の大きさの所を示しています。ここからの話を簡単まとめると「私たちが目にすることと、比べると、術陽的な価値はあまりないと思う。ですから、わたしたちは、心理学として正しく正しく最適の見解に立っているといえます。また、感覚や感情や思考の原因が、体の状態や生まれつきの本能から来ると考えるのは、ほとんどの心理学では基礎・基本の考えになっているが、私は言い過ぎであり間違いであると思っております。心身の全ての機能が生まれつきの要素に左右されるこことに異議を唱えるつもりはありません。ただ、私たちがどんな精神の活動においても目にするのが、なにかしらの目標を達成するために、すでにあるものを使っているのです。感情の動きをみれば、精神でなにが行われているのか、驚くほどの洞察が得られます。」といっています。

そしてその他にも

  • 広場恐怖症の患者は、家にいるとき、他者を征服しているときは、不安を感じないのと同じように、神経症患者は自分が征服者だと感じられる時以外の経験は排除しようとします。
  • 子供が信頼できる仲間として最初に出会う人は母親です。
  • 問題のある子どもや神経症患者の行動、犯罪行為などの人生のマイナスの側のおける行動はどれも、共同体感覚の不足と、そこから生じる自身のなさに端を発しています。
  • (身内が亡くなって不安になり医者を志した少年に対して)これは、墓堀人になろうと考えた少年よりは、はるかに社会的です。
  • 無力だという感覚と、それ以外の感覚は、多少なるとも直接的に結びつきます。結びつた感覚は以前と違ってそれぞれ独自に存在することも、行動を操ることもなくなります。
  • 「劣等感」という感覚は個人の行動をしっかり調べることでしか正しく推測できない。
  • 自分がどれほど無力だと感じるかは、遺伝と環境に子供の反応が加わってきます。

などの名言をたくさん語ります。

そして最後にアドラーは庶民にも分かりやすいように神経症になる子供をタイプ分けしています。

それが「身体機関に問題のある子ども」「甘やかされた子供」「疎まれた子供」です。

そしてこの3タイプをそれぞれ分析しました。

身体機関に問題のある子ども

このような子供は先天的でも後天的でも確実に劣等感を持っています。そして一般的には、その人は欠陥を埋め合わせるため特別な努力が施されます。例えば左利きの人が、右利きにしつけられた場合、芸術に向き合って、手が上手く動かないことを隠そうとします。それは難聴の人が音楽家を目指すように(ベートーベン)、吃音の人が政治家を目指すようなものと同じなのです(デモスデネス(古代ギリシアの政治家))。

甘やかされた子供

甘やかされた子供は他者からいろいろしてもらっている子供は、決して自分の力を示しません。家族の中心でいること、注目を集めて世話をしてもらうように求めます。よくみられる症状として、怒る、満足しない、不安などの症状が挙げられます。治療にはすぐにとりかかれますが、ひどく強い不安感を考慮しなければなりません。

疎まれた子供

疎まれた子供は誰にも甘やかされたことがないため、より不穏な立場にいます。疎まれた子供の目標としては、逃げて他者から距離をとることです。容赦がない悪知恵が働く、などの症状があります。こうした子供はたいてい相手の目を見られず、話が上手くできません。常に間違いを探す性質が、役にたつ批判をする方向に発展することもあります。

 

そしてこの3つが次の3.5章に繋がっていくのです。

ルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」3章完

次回3.5章始動!‼

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鬱病を軽減する方法!?アドラー心理学のおもしろさを徹底解説(アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」レビュー2章)

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それでは早速2章から解説したいと思います。(前回見てない人はぜひ見てね!)

2章の題名は「人はなぜ統合失調症になるのか」というストレートな題名です。この章ではこれからもでてくるアドラー心理学において相当重要な単語である「3つの課題」について言及されています。その3つの課題というのは「社会」「仕事」「」というものであって、アドラーはこの課題を乗り越えることが出来ないと、神経症になるリスクがあると訴えています。その例として「18歳の統合失調症の息子」が挙げられます。

この息子は母と一緒にやってきて「今までは普通に生活していたのですが、急に統合失調症になった。」と言っています。これをアドラーは「いやいや違うでしょ。必ず小さいころから統合失調症になる傾向があったでしょ」と話の中から分析し、「この方は3つの課題から逃この方は3げるために統合失調症になった」と考察しました。そしてアドラーはこの方は再教育が必要であると診断し、見事統合失調症から回復しました。そしてまとめとして再教育の難しさ、母子のつながりの重要さについて述べました。

これについて私が思うところは、アドラーが「神経症患者がよく自分は幼い頃変わっていてなじめなかったと語るのは現在の社会的な環境から距離をとるための正当化です。」と言っていたところです。これはつまり幼い時の記憶は現代の今の自分の心の状況を表している、といっているのです。

私はこれを初めて見たとき不思議に思いました。しかし、これを読み進んでいく中でアドラーは「人は多かれ少なかれ幼い時の記憶を曲解している。」といっていて納得しました。実は僕にもお父さんとお母さんと私の3人で寝ていたところを天井から見ていた、という記憶を持っているんです。今でこそそれは夢だと断言できるのですがまだ幼く、頭の中お花畑だった僕からしてみればその記憶はどうやって見たのかということを考え、夢だときづいていませんでした。

このように記憶にはその人の様々な情報が出るというのを80年ほど前にきづいていたのです。そう考えるとアドラーの記憶に関する考察の正確さに驚嘆してしまいます

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アドラー心理学の創設者アルフレッド・アドラーの書いた名著レビュー(アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」レビュー①本の概要・1章)

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それでは今回から本編アルフレッドアドラー著「なぜ心は病むのか」についてのレビュー的なのを書いていきたいなと思います。

※これは前の章の「アドラーとはどういう人物だったのか」編を読まなくても分かりますが、読んだ方が少し分かりやすかったり、私が喜んだりします。

まずこの本の概要から説明していきます。

  • この本はアドラーが書いた本を翻訳したものです。
  • 本の大きさは縦19cm×横13cm
  • 本のページ数は269ページ
  • この本は章の中に複数の段が入ってます。

本のレビュー

この本は特徴としてに アドラーが主張する。→その確たる根拠として患者の例を出す。→そしてアドラーの例の解説とその症状の解決策 というような短篇集的構成となっています。そしてその短篇集が11章に渡って書いてあります。例えばアドラーが甘やかされた子供について述べている所はまず最初に「幼い頃の記憶は個人心理学において特に重要なもののひとつです。」と主張し、その例として30歳の大学生の例が出てきて、最後にその男性の夢から考察し、「この患者が自分の特別な関心を上手く活用できていない」と結論づけました。このような形で様々な患者の症状を、原因と結び付けてその原因について解説しています。

この本はすぐに「なぜ心は病むのか」という結論に行かない所も特徴として挙げられます。前述した通り、この本は短編を繋ぎ合わせたような構成になっております。なのでこの本には患者の話が前面にでてきます。基本的に構成とて主張は1~4文程度で済ませ、残りの約6~7割が患者の話そして最後にまとめ的役割の解説と解決策というふうになっています。なので寄り道が多く中々この本題であるなぜ心は病むのかについて解説されないでしょう。更にこの本では確実にこれが原因だとは言及されない為理解するのに時間がかかります。

結局のところこの本は「なぜ心は病むのかの解説」というよりも「数々の患者の例をみてなぜ心が病むのかを患者をみることで考える」といういわば患者1人⑴人のカルテにアドラーの解説がついているみたいな感じになっています。なのでこの本は本をただ読むだけではなく、本をよんで更に考えてようやっとこの本の答えにたどりつけると思います。

それでは第1章から解析・考察していきます。第1章は「心の不安はどこから来るのか」という題名です。この章は「父を超えられない息子」「姉を妬む妹」「梅毒(感染症)にかかる夢を見る女」を例として挙げられています。ここではまず最初にこの本の最初の段ということもあり全体の主題として「神経症患者が隠すこと」というものがあげられます。この段ではまず最初に結論を主張します。その後、その主張の説明をします。これにより読んでいる読者はこの世界に引きずり込まれます。この他の話も基本的に主張→例→まとめ の構成であるためこの構成は覚えていて損はないと思います。内容に関してはそこまで言及するつもりはないですが強いて言うなら「父を超えられない息子」は「劣等感について」、「姉を妬む妹」は「ストーカーについて」、「梅毒にかかる夢を見る女」は「強迫観念について」言及しているので気になっている方はおすすめです。まあそのような方はいないと思いますが、、、でも気になってなくてもおもしろいですよ。うん。

 

 

 

あとがき

想像以上に少なかったですね、、、本編より前置きの方が長いという悲劇、、

というのも歴史上の人物を解説するのは何回もやったことがあるんですけど本の解説というかレビューは初めてなんですよね。なので全く上手くまとめることが出来なかったけどとりあえず本の内容とかは十分にかけたと思ってます。これからももっとレビューを書いていきたいなと思っていますし、もうちょっとまとめるのがうまくなったらまた同じ話しをあげようと思っています。なので今後ともこの里芋を宜しくお願いします。

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アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」を読んで①アドラーとはどういう人物だったのか 豆知識編 後編

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前回のあらすじ

  • アドラーは兄と仲が悪かった。
  • アドラーは母が弟の亡くなった時に笑ったという記憶を持っていた為、母と仲が悪かったが、仲直りした。
  • 父はとても民主的な人だった為、アドラーはそのような人格に育った。
  • アドラーと結婚したライザは小柄で色白であり、一目ぼれだったため、一年もの間情熱的な恋文を送り続け、遂に結婚した。
  • アドラーは63歳の時に大病にかかったがライザと娘の看病の成果もあり、瀕死の状態から回復した。
  • アドラーが北米に渡米した時、ライザはついてこなかった為15年前もの間別居状態であった。

豆知識  後編

アドラーはお金に関しては必要以上に求めない人でした。アドラーはカウンセリングをする時はお金をもらうことを嫌い、お金を持っていない人には無料でカウンセリングを行うこともありました。

カウンセリングや講義でイギリスやフランス、ベルギーやオランダなどを飛び回っていたアドラーは典型的なワーカホリックでした。仕事が続いて、睡眠時間がろくにとれていなかった時も特に眠たそうにしていなかったといいます。亡くなる直前までずっと仕事をしていたアドラーは家ではほとんど過ごさず、ホテルで生活していたそうです。

60代になった頃のアドラーは世界初の児童相談所の設立やアメリカで大ヒットした著書「人間知の心理学」などで一躍有名な心理学者となりました。当時のアメリカでは最も収入がある講演家といわれ、講演やカウンセリングに向かうときは、お抱え運転手付きの高級車を使っていました。治療、インタビュー、食事会に引っ張りだこだったアドラーのスケジュールに空きはめったにありませんでした。

  • 娘を心配して眠れない日々
  • ハンガリー人のジャーナリストと結婚したアドラーの長女ヴァリは、モスクワで生活していました。しかし1937年(アドラー67歳)の時にヴァリが拉致・投獄されるという情報が入り、音信不通になってしまいます。アドラーは心配の為、不眠が続き、食事ものどを通らない日が続きました。これは、アドラーの死を早めた要因の一つとなっています。(アドラーの長女ヴァリはそれから何年かした後政治的嫌疑で逮捕され、シベリアの強制収容所で死亡したことが確認される)
  • 子供の自由を尊重し、勇気ずけた

アドラーの次女アレクサンドラは数学が苦手でした。しかし、アドラーの勇気づけにより数学が得意になりました。また当時10歳であったアレクサンドラもアドラーと仲間との議論に参加させました。子供を対等な立場として尊重していたのです。後にアレクサンドラはトラウマ(PTSD)の研究家として活躍し、2001年に99歳でその生涯を終えました。

         アドラーに関する豆知識 後編

                  

 

 

        アドラーとはどういう人物だったのか編

               

 

  次回アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」感想編

  

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アルフレッド・アドラー著作「なぜ心は病むのか」を読んで①アドラーとはどういう人物だったのか 豆知識編 前編

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前回までのあらすじ

  • アドラーは1916年(46歳)に大戦で軍医として従軍する。
  • その中でアドラーは、共同体感覚こそがなにより重要であると考え、後に共同体感覚を個人心理学の基礎とする。
  • 終戦直後にアドラーは労働者委員となり、1922年(52歳)に世界で初めて、児童相談所を設立する。
  • 児童相談所を作った功績が認められアメリカで講演会を開く。以後アドラーは欧州と北米を半年ごとに行き来する生活を送る。
  • 1924年(54歳)の時にウィーン教育研究所治療教育部門の教授に就任する。
  • 1930年(60歳)に今回紹介する名著「なぜ心は病むのか」を出版する。
  • 1935年(65歳)の時にオーストリアのクーデターが起きたことをきっかけにアメリカに家族と一緒に移住する。
  • 1937年(67歳)の時に講演に回っている最中のスコットランドにおいて、散歩にでた直後、意識を失いそのままこの世を去る。
  • 遺体はスコットランドの火葬場で火葬された。遺骨の所在は長らく不明であったが、2009年に同斎場にて見つかり、国際心理学会の協議を経て、ウィーン中央墓地に名誉改葬された。

 

自作の語呂合わせ

192 2

いくにーにと世界初の児童相談所

1937

いくさなくなれ祈るアドラー死去

 

本編 アドラーの豆知識集

小さい頃、病弱だったアドラーにとって、優秀で、健康でもあった兄は尊敬しながらも、ライバル関係にありました。しかし、長男であった兄は、家業の穀物商を継がねばならなく、ギムナジウムを中退するなど自由に自分の人生を決めることができなかった兄は自分の夢を叶え医者になったアドラーを憎んでいました。

アドラーの父親は子供たちの自由を尊重していて、子供を罰することもなければ、溺愛することもないという民主的な環境で育ちました。なのでアドラーが権威を嫌い、誰とでも平等に接していたのは父の影響が少なからずありました。

アドラーの母親に対する最も古い記憶が「弟が死んだ時に母親が笑った。」というものだったため幼い間、アドラーは母親を冷徹な人間として長い間嫌っていました。しかし、それは誤解であることが分かり「母は私たちを平等に愛してくれていた。」と、訂正しています。

  •  妻ライザとの恋

1,897年(27歳)の時に勉強会で出会った妻ライザ・ティモフェヤーニャ・エぷシュタインは、色白で小柄で賢く、意志の強い女性でアドラーは一目ぼれでした。その後、アドラーは情熱的な恋文を1年に渡って書き続け、そのままゴールインしました。

  •  妻さえいれば大病も治る

63歳(1933年)にアドラーは大病に掛かり入院しました。瀕死の状態でしたが、妻と娘の必死の介護によって、見る見るうちに、病気が回復していきました。妻に対する気持ちは30年以上たった頃でもかわりませんでした。

アドラーオーストリアから渡米を決意した時にライザはアドラーに着いていきませんでした。アドラーアメリカにいる間ずっとライザに手紙を出していましたが、一度も帰ってきませんでした。(今でいう既読スルー的な)ようやくライザがアメリカに移住したのはアドラーが亡くなる2年前でした。

 

丁度半分程まで差し掛かりましたが、結構書いてしまったので前後半に分けていこうかなと思います。

 

    次回 アドラーの豆知識 後編

 

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