里芋田村磨呂の心理学解説

心理学の本についてその本ができた背景や作者の事もふかぼりしつつ解説していきます。ぜひ紹介した本に興味をもっていただければなーと思っています。

SとM(サディストとマゾヒスト){第9章精神障害は何を引き起こすのか概要・感想}

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今回も9章の話の前にお話を

最近は夜に中々寝られず苦労しております。そこで私は夜に風呂に入った後で、ココアを飲むようにしています。そうするとやっぱり体の芯からホットになれるような感じになります。しかし、全然寝られませんでした。特にこの前はほぼ一睡もできませんでした。チーーーーン。

※この概要の第一話はこちら

 

sakanouenotamuramaroyosihisa.hatenablog.jp

 



第9章 精神障害は何を引き起こすのか

第1段 優越が精神障害を引き起こす。

概要

この段の題名である「優越が精神障害を引き起こす。」ロジックをまとめた段。この段の長さとしては、前章よりは長いけど7章よりは少ない程度の長さです。

「この段についての感想」

この段では一番最後の文が最恐に怖いです。たった一行なのですが少し身震いしてしまいました。言うて本当の話なのですが末路というか自分にもその可能性が限りなく0に近いのですがあるということで「世にも奇妙な物語」を見た後のような感覚になってしまいました。、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、「こうして進む人生のラインの先に待っているのは、当然、病院で完全に孤立して過ごすという結末です。」、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、

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第2段 殺人者は臆病者

「概要」

ここからこの本でも特にブラックな所に入る。しかし、ここはブラックなのと同時にアドラーが私たちに凄く伝えたい部分でもある為、読んでおいて欲しい。

この段でもタイトルの通り殺人者というのは本当は臆病であるという理由。そして、皆さんが持っている殺人者に対する偏見を正すことで、「犯罪の波」を防ぐことができる。と語っている。

「この段についての感想」

この段では題名から非常に驚かされました。「いやいや嘘をつくのにも抵抗があるのに殺人なんて、、、」と。しかし、本編を読んでいくと新しい見方から殺人者の心情を考えていており、特に殺人者は共同体感覚が不足しているためマイナスの側で楽をしようとしていのという考えは感服しました。

第3段  犯罪者に共通の心理

「概要」

犯罪者に見られる共通の心理を様々な統計やアドラーの経験した知識によってこのような傾向があると書いている。

「この段についての感想」

犯罪者についての統計で何を見るかというところでアドラーの凄さがわかる。またこの前の章や段についての関連もしっかりしていて分かりやすかった。

 

第4段  サディストとマゾヒスト

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「概要」

説明の前に用語の解説

サディスト=人を痛めつける事に快楽を覚える人の総称。ネットの世界では頭文字をとってよく「S]と表記される。しかし今回使われるサディストの意味合いとしては、他者を支配することで性的刺激(快楽)を得ている人の事を指す。

マゾヒスト=人に痛めつけられる事に快楽を覚える人の総称。ネットの世界では頭文字をとって「M]と表記される。

前半は性的倒錯(物や体の一部分に異常な程の愛情を抱くこと。サディストやマゾヒストなどがあてはまる。)の領域から考え、サディストの行動を根拠に、サディストだけに見られると思われていた個人を支配するという優越感は、マゾヒストにもみられるということを証明する段。

後半では例を用いてサディストとマゾヒストはなぜそうなったのかということ。また、サディストの非社会的行動をまとめている。

「この段についての感想」

この段は文字数も非常に多く、またこの章の主題でもある「サディストとマゾヒスト」についての見解も非常にたくさん語られているところから、この段がこの賞のなかで最も重要な段だということがわかります。なので「この本長いから簡単に読みたいな」という人は是非この段を読むべきなのかなと思います。

内容に関していうと、マゾヒストの優越感というのがサディストと同じ他者を支配している感覚になるからというのが驚きました。マゾヒストって真逆の存在だと思っていたので、、、、

第5段 赤面症の男性の白昼夢

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「概要」

  • 用語の解説

赤面症=普通の時には別になんともないが、大衆の前に立って喋る時に限って顔が赤くなるという症状のこと。

白昼夢=目覚めているときに見る非現実的な体験や、現実から離れて何かを考えている状態。願望を空想する場合が多い。

今回は赤面症になる32歳の例があげられる。彼は子供の時に母親から甘やかされたが、兄弟から疎まれていました。その為、学校に進学しても仲のいい友達が作れず孤立してしまいました。結局彼は愛と社会という人生の課題から逃げるようになりました。そのため、レストランなどで人と会えばたちまち緊張してしまっています。そんな彼の白昼夢はこのケースでは非常に重要であります、、、

「この段についての感想」

この段は結末が興味深いなあと思いました。

「この男性は結局入院することになったのですが、その入院した病院の中でとても気の合う女性に出会います。そこで彼は愛という課題に背中を押された気がしました。しかし、今までの課題に逃げてきた彼は勇気を欠いてしまいました。ずっと人生の奮闘を観察する立場に自分を置いていたのに、その立場を揺るがす状況が生じたのです。その為彼は自殺してしまいました」

このラストには驚きました。なんせあのアドラーが治療に当たってもこのような結末になったのです。そう考えるとヒアリングも難しいんだなあと感じてしまいました。

また、この男性のように人生の課題から逃げてきて絶望していたのに急にその課題と向き合わなくてはいけなくなり結局自殺してしまいました。普通に考えたら人生の課題を乗り越えられるチャンスなのだと思うのですが、すでに絶望している所に人生の課題が来ると「この課題を乗り越えたい」と思う気持ちと「この課題はもう乗り越えられない」という気持ちがぶつかり、最終的には思考回路はショートしてしまうということが分かりました。

次回 第10章心は仕事にどう影響するのか概要・感想

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